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顔面の骨の中の副鼻腔と言う空洞(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形洞)内に急性炎症がおこる病気です。症状は膿性の鼻汁・鼻づまりが多く、顔面や頬部の痛みを伴うこともあります。また後鼻漏(こうびろう)と言って、鼻汁がのどへ流れてしまうと咳が出たりします。
ほとんどが風邪をひいたりした後に発症しますが、まれに歯の根部の炎症が上顎洞に侵入して上顎洞炎(歯性上顎洞炎)が引き起こされることがあります。治療は抗生剤など薬剤を使います。
副鼻腔炎が慢性化した状態ですが、頭部のCTやMRIを撮影して偶然見つかる場合もあります。主な症状は膿性の鼻汁・鼻づまりですが、においを感じないことがあります。診断はエックス線撮影で判断しますが、CTやMRIを行うことがあります。治療はマクロライド系の抗生剤を少量にして2~3か月内服します。
多くの場合は薬剤で治癒しますが、難治性の場合は手術を行います。内視鏡による鼻内手術が行われ、短期入院も可能になってきています。
アレルギー性鼻炎は、本来人体に対して無害であったものが、鼻の粘膜で免疫機能の過剰な反応が起こってしまう疾患です。大きく季節性のものと通年性のものに分類されます。季節性アレルギー性鼻炎の代表は春のスギ・ヒノキの花粉症です。日本人の3人に1人はスギ花粉症を持っていると言われています。夏はイネ科の雑草、秋はキク科の雑草によるものがあります。治療は花粉が飛散する少し前から薬を使い、飛散期間中は薬を続けることです。また、平成26年からスギに対する舌下免疫療法が始められていますが、飛散時期だけでなく毎日服用を数年続ける必要があります。薬があまり効果ない場合、鼻の粘膜を焼灼することにより症状の軽減を図ることもあります。
通年生のアレルギー性鼻炎の原因の代表が、ダニ・ハウスダストです。寝具やカーテンなどに多く日常の清掃が主な予防方法です。近年ペットを室内で飼育する家庭が増加しており、イヌ・ネコ・ハムスターなどの動物の毛やフケなどが原因となるペットアレルギーもあります。治療は花粉症と同じです。アレルギー治療薬を使用しますが、近年眠気の少ないものや配合剤も使えるようになってきました。ステロイドの鼻噴霧薬も副作用が少なく効果があります。鼻閉が強い場合は手術により改善を図ることもあります。(当院ではアルゴンプラズマ療法を取り入れています。)ダニに対する舌下免疫療法が平成27年より始まりましたが、今後治療効果などが報告されてくると思われます。
一番頻度が多いのは鼻の入り口から約1cmのキーゼルバッハ部位と言われるところからの出血です。原因は、鼻をかむときにティッシュペーパーでこすったり、子供が指で触ったり(はなほじり)することによってできる傷です。止血方法は座った状態で頭を下に向けて、出血している鼻の入り口の外側からしっかりとキーゼルバッハ部位を10分以上圧迫することです。ティッシュペーパーを詰めるのはあまり好ましくありません。更に傷が拡大することがあります。なかなか止血しない場合は医療機関を受診してください。
また、まれに鼻の中の腫瘍からの出血もありますので、鼻出血がある場合は念のため受診されるほうがよいと思われます。
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など鼻づまりが起こりやすい炎症性の鼻疾患で嗅覚障害が起こることが多いです。また、原因不明の場合もあり風邪のある種のウィルスが原因ではないかと言われています。交通外傷など頭部を激しく打った時に起こることもあります。治療方法は原因疾患の治療とステロイドの点鼻療法です。